2018年11月20日火曜日

環境広告(ボルボ・メーカーズ・ジャパンの事例) 環境ビジネスここがポイント 1998.12.15

日本の「環境広告」においてその方向性を示したのが、スウェーデン最大の自動車メーカーのボルボの日本支社、ボルボ・メーカーズ・ジャパンである。同社の環境広告の第一弾は90年に発表された「私たちの製品は、公害と、騒音と、廃棄物を生み出しています」といく、生産プロセスにおける環境対策への取り込みを説明したボディコピーのみというシンプルなものだった。あまりにも衝撃的な十分な説得力を持っていた。 この環境広告の背景には同社が89年に打ち出した「環境声明書」の中に確固たる裏付けがあったからだ。その後95年には自社生産の自動車の環境破壊データを公開、各車種についての環境仕様書を作成した。 同社の環境広告の特性は①製品イメージの訴求効果ではなく、企業の環境に対する理念や姿勢を伝えること。②製品が環境へ与える負荷などの情報を開示すること。③作る側から使う側まで、すべての関係者の意識啓発を図ることの3点。さらに同社の環境広告で特徴的なのは発表の場を新聞掲載に限っていること。これはテレビなどのビジュアルメッセージのあいまいさよりも、活字メディアによる正確な伝達と説得力を重視したからだ。活字媒体でも雑誌は使わない。これも読者対象の偏りを避けるために、あくまでマスにおける公共性にこだわっている。 「環境広告」はこれからますますCE分野において重要視される。その骨格はDisclosure(開示)とAccountability(情報開示)でる。この手法を提示でき、具体化できる新しい仕事が、環境ビジネスに生まれようとしている。