2018年11月1日木曜日

有効なエネルギー資源として見直されるバイオマスエネルギー 2000.08.15

直接燃焼やメタン発酵、熱分解によるガス化などの手法で利用するバイオマスエネルギーが、有望なエネルギー源として見直されてきた。欧州連合(EU)は2010年までに全エネルギーのうち再生可能エネルギー(地熱や大規模水力も含む)の占める割合を現在の6%から12%へ倍増させ、うち8.5%(熱出力で1000万キロワット)をバイオマスにする計画だ。比較的早くから取り組んできたスウェーデンやフィンランドはすでにバイオマスが1次エネルギー供給の約2割、オーストリアも12%を賄っている。EUにおけるバイオマス利用は、燃焼による地域熱供給が主。スウェーデンでは材木に使えない木などを燃やす熱供給施設が多くの自治体にあり、市街地の地下に張り巡らされた配管を通じて、公共施設や住宅に熱を送っている。配管を引けない地域では、ペレット状に小さく加工した木質燃料がストーブや小型ボイラの燃料に利用されている。

植物資源は光合成によってCO2を固定するため、燃やして使ってもその分植林すれば大気中のCO2の総量を一定に保てる。有機性廃棄物を大量に発生する食品工場や製紙工場では、工場内リサイクルが可能となり処理コストはおろか、エネルギーコストの削減にもつなっている。特に食品工場では01年4月にも施行される食品廃棄物リサイクル法にむけて、メタン発酵技術を採用する例が増えている。